デマゴーグ集団、橋下「維新の会」の圧勝
―― それは全日本の問題だ 津田 道夫 それはハシズムなどという駄洒落を許すものではない。 文字通りのファシズムに他ならない。 それは一大阪府・大阪市の問題にとどまるものではない。 全日本の問題である。 去る11月27日、大阪府知事・大阪市長の同日選挙が行われ、府民・市民は、橋下「維新の会」の圧勝を許した。 市長選については、平松が民主・自民の推薦を受け、共産党が自党候補をおろすまでしたのに、橋下は圧勝した。 反橋下の統一戦線は完敗したというほかない。 怪しげな「大阪都」構想をふくめて、恐慌下に呻吟する庶民は、橋下一派に一抹の救いをもとめたといえる。 かつて経済高度成長期、マイホーム主義と企業意識が人びとをとらえ、その相互補完関係がそのままナショナルな価値へと直結していたころ、それを与件とした保守安定支配(自民党一党独裁)も可能であったが、90年代以降、政治も政策も全く人びとの目に色あせたものとして見えるところとなっていた。 加えて人々は人民としては解体され、アノミーな(価値喪失的な)大衆市民社会的な雑集団に 解体されてきていた。 ここに保守支配の危機も認められたのである。 この保守支配の危機を、それに対応する雑階級的庶民たちとの間隙をつく形で橋下「維新の会」は、一連のデマゴギーをともないつつ、その政治的進出を果たしたのである。 デマゴギーに染めあげられたその言動は、まさにファシズムとしかいいようがない。 1933年1月から5月(全権委任法可決)にかけてのドイツ・ナチズム独裁成立の過程をならうように、橋下「維新の会」の勝利をうけて、保守諸党は、これにすり寄るかの姿勢をみせているのが現状である。 「人権と教育」、その民主的な実現を旨とするわれわれとして、わけても注目せざるをえないのは、その「大阪府教育基本条例」の構想である。 同日選挙に先だつ2011年11月19日、朝日新聞・朝刊は、該条例案の作成者である坂井良和・大阪市議へのインタビュー記事を載せていたが、そのなかでの次のような発言が私の注目をひいた。 アトランダムに引用させていただく。 「学区を撤廃し、学校選択制を導入し、学力テストの結果も学校別に公表する。そうすれば親と子が情報をもとに学校を選べる。自分で選ぶのだから結果責任も自分でとる。文句ばかり言っていられなくなる」。 「私は格差を生んでよいと思っている。税制や社会保障など、格差是正の制度は別にある。まずは格差を受け入れてでも、秀でた者を育てる必要がある」。 坂井は、これを大真面目で言っているらしいのが空恐ろしい。 これは格差を前提としたうえでのエリート主義にほかならない。 これで障害児や社会的弱者は、どうなるか。 想い半ばに過ぎるものがある。 2011・12・6 掲載誌 「月刊・人権と教育」453号 2012年1月20日発刊 -------------------------------------- 月刊 『人権と教育』 453号 目次 ・就学問題ルポ 友だちといっしょに地域校へ通わせたい -- 車いすの小池優季奈さんの場合(長野県茅野市) 山田英造 「障害ある娘の学区小就学に関する要望書」 ・虫めがね -- 永喜一家の総出の仕事 石田甚太郎 ・高齢者施設レポート27 --よねさんの思いあふれて飛び出した数え歌 -- この歌で大笑い大笑い、その陰の深刻さを他所に 佐藤与志子 ・学校から --生活習慣の自立に向けて寄り添う 吉田絹子 ・自然を観る・74 -- 地は動き続ける・7 平林 浩 ・みちのく通信 -- 飯舘・数字が伝えるもの 加藤民子 ・声、こえ、コエ ・自治体漂流 -- 原発自治体消滅 その7 晴明の尊厳を捨てた国 布施哲也 ・学校現場からのレポート -- 人権意識の高揚と教職員のチームワークが鍵 遠藤行博 ・父として母として -- まだ25歳、傷つきやすく誇り高いわが娘 川端まり子 ・本の紹介 原発被災者に一刻も早く、届けたい本 石川愛子 --広瀬隆、保田行雄、明石昇二朗 『福島原発事故の「犯罪」を裁く -- 東京電力&役人&御用学者の刑事告発と賠償金請求の仕方』 ・発言あり -- デマゴーグ集団、橋下「維新の会」の圧勝 それは全日本の問題だ 津田道夫 ・編集後記 ------------------------------------- by tomoni_kk | 2011-12-28 09:01 | 政治
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